将棋の館−盤上のドラマ−/盤上シアター81/地獄から天国−中座真の奇跡

地獄から天国−中座真の奇跡


  プロ棋士になるには、まず師匠を決めます。現役・退役どちらでも構わないのです
が、プロ棋士であることが条件です。

  師匠が決まったら次は、奨励会というところに入会します。これはようするに、プ
ロになるための”養成機関”というべきところで、全国から”神童”と呼ばれた子供
達が、明日の名人を目指して凌ぎを削ります。
  (おっと、奨励会入会には”試験”があるので、まずそれをパスしないとね・・・)

  そして、奨励会を勝ち抜き、四段に昇段したものだけが、晴れて”プロ棋士”にな
れるのです。
(プロ将棋界にとって、”三段”と”四段”は大違い。”お茶をいれる人と飲む人”、
”先生と呼ぶ人と呼ばれる人”の違いです。)

  なによりも厳しいのは、”年齢制限”。時代によって変わりますが、確か私が知っている
頃は20才までに初段、26才の誕生日までに四段にならないと自動的に”退会”となります。
(間違っていたらごめんなさい。)
 今はどうなったんだろう?今は多少救済処置がとられていて、26才を過ぎても、ある一定の
星をあげれば、次回の三段リーグも参加できたはず。
  
  中座真25才(当時)。これが四段へのラストチャンス。
  最後の三段リーグ(三段になるとリーグ戦を行い、そこで上位2位の成績をあげた
ものが、四段の切符を手にする。)、ラスト2局を前に彼は四番手に位置していた。
  1位から6位までの6人に昇段の可能性が残されていた。
  残り2局を連勝し、”人事を尽くして天命を待つ”。
 子供の頃から夢見ていたプロ棋士の座を手に入れるためには、とにかく勝つ!
 連勝あるのみだ!

  −そして最終日−
  第1局  中座勝つ。
 マジック1だった堀口一史座三段が、自力で昇段を決めた。残る昇級枠は1つ。
 競争相手のうち上位二名が敗れ、彼は自力、”マジック1”が点灯していた。
  だが・・・
  必勝の気迫で臨んだであろう第2局に、彼は敗れる。この時点で彼は順位を4番手にまで下
げた。(競争相手はまだ対局中。)つまり、彼より上位のもの3人が揃って負けないと、彼は
退会となる。
  第2局終了後、彼は控室の部屋の隅で膝を抱えて泣いていた。無理もない、子供の
頃からの夢が、プロ棋士への道が、今、閉ざされようとしているのだから・・・
  誰も彼のそばには、近づけなかった。
  やがて・・・
  一人の人が恐る恐る彼のそばに近づいていった。そして言った。
  ”おめでとう!”
  一瞬キョトンとした中座だが、やがてその意味がわかるともう一度泣き出した。
  そう、”奇跡”は起こったのだ!

 ※・・・升田幸三賞受賞、おめでとうございます!

 ※・・・この話は、どうも”エピソード”ようで、事実は違うようですね。
  
  奨励会を去ることを覚悟して、靴箱に手をかけたとき、奨励会員の一人が”まだ可能性がある”
  と伝え(彼は競争相手の一人が負けていたことを知らなかった)、帰るのをやめ廊下で
  うろうろしながら、結果を待っていた。
  そこへ一人の奨励会員が駆け寄ってきて、
  ”おめでとう!”と彼の昇段を伝えてくれた。
  ”退会覚悟”→”昇段”・・・あまりの辞退の急変に彼は思わず、へなへなとその場にへたり
  こんでしまったそうです。
  奨励会幹事への報告。
  ”おめでとう”の一言に、涙があふれて止まらなかったという・・・





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