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米長理論−実践編

 
 ”自分にとって関係ないが、対戦相手にとって重要な一番は全力で戦わなければならない。
気高い米長理論。
 そして他の棋士たちも、この考えを支持し実践しているように思える。
 昭和62年度の第46期順位戦は、当時王位の谷川が独走。7回戦終了時点で7連勝。2局を残し
早々と名人挑戦権を獲得した。
 8回戦の相手は一門の総帥であり、兄とも慕う内藤国雄。しかし内藤は苦戦していた。7回戦を終え
た時点で3勝4敗。2勝の大山・森、1勝の有吉とともに残留を争っていた。
 もし谷川−内藤戦で内藤が勝てば、その時点で内藤の残留が決まる。
 谷川の心は揺れただろうと思う。しかし、彼は心を鬼にして戦った。米長理論に従ったのだ。
 そして思った。
 ”もしも自分が全力を尽くして戦ったのなら、この一番で内藤先生は負けたとしても最終局に
勝って残留を決めるだろう。”と。
 谷川−内藤戦の対局の日、米長も対局があり、しばしばこの一戦をのぞきにきていたようだ。
 ”谷川がしっかり指しているか、見られているような気がした。”
 自戦記で谷川が語っていた。
 谷川勝って8連勝。その勝利は同時に内藤の敗戦であり、敗れた内藤は窮地に陥った。
 しかし谷川の予感どおり、最終局の対森戦に勝ち、自力で残留を勝ち取った!

 第46期名人戦7番勝負は挑戦者の谷川王位が4−2で中原名人を降し、名人カムバックを果たした。
 この名人位は、きっと将棋の神様からのご褒美なんだろう・・・
 
最高段位と勝星昇段

今年も・・・将棋界の一番長い日

酒と将棋とスポーツクラブ