将棋の館−盤上のドラマ−/想いをはせて・・・/2月14日の想い出

2月14日の想い出


 と言っても、バレンタインのことではない(笑)。3年前(1996年)の2月14日、
羽生7冠が誕生した。
 対戦相手は無論、谷川だ。
 世間が“夢の7冠誕生”で湧くこの日は私達谷川ファンと谷川本人にとって、屈辱
の日以外の何物でもなかった。

 悔しくて、悔しくて・・・本人でもない私が、こんなに悔しいのだから、谷川本人
はどんなにか無念であることだろう、しかも私は羽生の顔を見ないですむが、彼の目
の前には羽生がいるのだ・・・後日きくところによれば、谷川は打ち上げにも顔を出
さず、逃げるようにしてその日のうちに神戸に帰ったとか・・・

 しかし、しばらくして、考え直したね。羽生よ、負けないでくれ、このまま勝ちつ
づけてくれ、と・・・無敵の羽生を倒すのは、谷川浩司なのだから、と・・・
 (棋聖戦で、三浦に負けたのは残念だった。)
 そして8ヶ月後の竜王戦、私達谷川ファンの夢は現実となる。私達の感動は、さら
に翌年の名人戦に引き継がれる・・・

 今思うと、すべては3年前の2月14日から始まっているような気がする。羽生の
7冠誕生の相手が谷川でなかったら、あるいは谷川を無冠に突き落としたのが羽生で
なかったら、正直あれほどの感動があっただろうか?

 谷川も羽生も、昨年は苦しい一年だった。谷川は折角羽生から奪った2冠を、相次
いで失冠。
  羽生もタイトル防衛こそ果たしているが、順位戦はかつてない大苦戦、タイトル挑戦
者になることもできず、現在は森下との王将戦、そして間もなく佐藤康光との棋王戦、
とダブルタイトルマッチを余儀なくされる。

 だが私は思う。羽生よ、負けないでくれ、と・・・このまま勝ちつづけてくれ、と・・・
無敵の、つよーい、つよーい羽生を倒すのは、やっぱり谷川浩司なのだから、と・・・

 ※私ごときが言うのもナンだけど、何故か最近羽生には”戦友”のような気持ちが
してきた。

  (注  羽生は4−1で王将位を、3−0で棋王位を防衛)






3月・順位戦の想い出

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