将棋の館−盤上のドラマ−棋界最強者列伝/厚い壁を越える!

厚い壁を越える!

第32期王将戦七番勝負−VS大山

第32期王将戦七番勝負第五局

▲米長△大山:▲36桂までの局面

    米長にとって大山は、中原とともに目の前に立ちはだかる大きな壁だった。いつかは越えねばな
らない壁だったが、大山は容易に衰えを見せない。
 昭和58年の冬、(年度は57年度)米長は王将戦と棋王戦で大山とダブルタイトルマッチを行っ
ていた。
 ここまで王将戦で3−1。タイトル奪取まであと1勝。棋王戦は2−0。タイトル防衛にあと1勝。

  △46歩▲同角△36桂▲同飛△55歩▲74歩△同銀右▲66桂△45金▲74桂△同銀▲55角

 △46歩が大悪手。▲36同飛のときに△45金は▲74桂と打たれて負け。
 やむなく△55歩は予定変更だが、▲74歩以下自然に指して、あれほど固かった後手陣が、見る影
 もない。

第32期王将戦七番勝負第五局
▲米長△大山:▲85歩までの局面
 第2図は本局の最終盤。すでに大山の心は決まっていただろう。  △38飛成▲83銀成△同銀▲74金△同銀▲同歩△72歩▲84歩△71桂▲75金△67馬  ▲同飛△79金▲83銀△同桂▲同歩成△同玉▲84歩△92玉▲83角△82玉▲73歩成、 まで、米長勝ち  大山、玉砕覚悟で△38飛成。米長の猛攻を△71桂と踏ん張るが▲75金がトドメの好手。▲ 83銀と▲86飛があり、後手には適当な受けがない。  大山は、負けと知りつつ△67馬と壮絶な切りこみ。△79金で一手違いの形を作った。  米長、▲83銀以下鮮やかな寄せ。  ついに4−1で大山から王将位を奪取した。  なお、後日行われた棋王戦第三局も米長が制し、この”12番勝負”は米長が7−1と圧勝。  厚く巨大な壁をようやく乗り越え、この後三冠・四冠を制して棋界の頂点に立つ。
宿願の打倒中原! 第20期王位戦七番勝負−VS中原

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