将棋の館−盤上のドラマ−平成最強者列伝/苦闘の果てに・・・

苦闘の果てに・・・

第43期名人戦七番勝負第4局

△86同飛の局面

▲中原△谷川

    昭和60年、名人戦V3を目指す谷川の前に立ちはだかったのは、実力者中原王将。
  第1局、優勢の将棋を持将棋模様に逃げられ逆転負け。これが痛かった。第2局・第3局は完敗。
 あらためて中原の強さを思い知らされた。
 ”いかに中原が強くとも、現役名人がストレートで敗れるわけにはいかない!”
眦を決してきたであろうカド番の第4局、しかし△86歩からの飛車先交換は不用意だった。

  第1図以下 ▲35歩△同歩▲14歩△同歩▲13歩△同香▲25桂△88角成▲同銀△36歩

 先手に香が入れば、▲87香で飛車が死ぬ。3筋を突き捨てて、中原の端攻めが強烈なパンチ!
 まだしも△35同歩では△82飛▲87歩△35歩が無難だったようだ。
 当然に思える△13香は苦心惨憺96分の大長考。そのまま封じ手となった。
 壊滅の危機を思わせる谷川だが、最終手の△36歩が妙手。これで危機を逃れた。

▲38金の局面
▲中原△谷川
 中原優勢のまま激戦は続き第2図。谷川必死の勝負手を放つが・・・  第2図以下 △69銀▲48玉△67銀成▲37歩△26金・・・以下谷川勝ち。  谷川渾身の思いを込めて△69銀。とれば△67銀成で金のない先手陣には受けがない・・・はずだった・・・  しかし△69銀▲同玉△67銀成には▲68歩で受かっているのだ。以下△58金なら、▲79玉△68金 ▲89玉△87歩が詰めろでないため、▲14飛△23金▲11飛成で先手勝ち。  ▲48玉で谷川は難を逃れた。局後の感想では▲68歩が谷川・中原ともに見えていなかったようで、もし わかっていたら”△69銀とは打てなかった”(谷川談)そうだ。  必死の気合が中原の腰をぐらつかせ、このあとも激戦は続いたが、ようやく初勝利をあげた。  続く第5局に快勝し、もしやと思わせたが第6局またしても中原流相掛りの前に完敗。  2勝4敗で名人の座を明け渡した。  谷川にとって、真の強者になるための長く苦しい試練が、ここから始まる・・・
100回目の対決!

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