将棋の館−盤上のドラマ−/棋界エピソード集/近くて遠い距離

近くて遠い距離


 昭和52年(1977年)の王位戦は新進気鋭の小林健二四段(当時)が大活躍。
 並みいる先輩達を押さえ、白組で全勝優勝。紅組優勝者の米長八段(当時)と中原王位への挑戦権
を争った。挑戦者決定戦も、強豪米長を相手に一歩もひけをとらず、一時は”四段の挑戦者誕生か”
と言われたが、米長流の終盤逆転術に屈し惜敗。
 ところで、この中原−米長の王位戦7番勝負第3局の記録係を小林がつとめることになった。
 彼の師匠板谷進八段(故人)が挑戦者決定戦を前に”負けたら記録係をやらせるぞ!”とハッパを
かけたもの。はからずも実現してしまったわけだ。
 しかしさすがに感じるものがあったか、両対局者が席を立った休憩中に米長の席に座り、
”本当なら僕がここに座るはずだった・・・”と呟いたとか・・・
 記録係と対局者の席は、1メートルほどしか離れていないとか。まさに”近くて遠い距離”。
 そして勝負の世界の何と厳しいことか!





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